赤外線カメラを使う顔認証は暗闇でも使えるのか？その原因について解説

近年、顔認証はバイオメトリクスの分野で一般的に使用されており、公共安全の分野で広く応用されています。同時に、顔認証モジュールも静的顔認証、動的顔認証、赤外線カメラを使う3D認証など多様化しています。実は、どのような顔認証方式も似ており、重要なのは、顔データからいかに識別特性を抽出し、非識別要因の影響を排除するかにあります。

赤外線カメラを使う顔認証のメリット

顔認証システムのアプリケーションで直面する主な問題は照明です。顔認証システムは、異なる照明環境下でも認識できる必要があります。しかし、ほとんどの顔認証システムは可視光の顔画像を使って認識します。このようなシステムは、周囲の明るさの変化に影響されやすく、複雑な照明条件下では正確に認識することができません。そのため、認識前にいくつかの照明前処理アルゴリズムが必要となります。照明の前処理アルゴリズムは、ある程度照明の影響を排除することができますが、画像に有用な情報が失われ、認識精度に影響を与えます。

赤外線カメラの顔認証は、顔認証における照明の問題を解決するソリューションです。この技術は、あらゆる物体が絶対零度（-273℃）以上の赤外線を放射しているという原理を利用しています。人体や加熱物体が発する赤外線は比較的強く、その他の非加熱物体が発する赤外線は非常に弱いです。赤外線画像と識別は、特殊な赤外線カメラを使用することで実現できます。そのため、赤外線顔認証の性能は、周囲の光の変化に影響されません。

また、赤外線カメラは完全な暗闇でも撮像できるため、赤外線顔認証技術は夜間でも顔認証を実行できるハードウェア基盤を備えています。

赤外線画像取得技術

赤外線画像取得技術は、パッシブ赤外線取得技術とアクティブ赤外線取得技術に分けられます。パッシブ赤外線カメラ技術は、装置のコストが高く、周囲の環境を反射することができないため、ほとんど使用されていません。アクティブ赤外線カメラ技術は、特殊な「赤外線ランプ」を使用して、人間の目には見えないが通常のカメラで撮影可能な赤外線を人工的に発生させ、シーンや環境を照らします。通常の低照度CCD白黒カメラや赤外線低照度カラーカメラを使って、周囲の環境から反射された赤外線を取り込み、画像の取得と認識を実現します。

赤外線の顔認証の課題

赤外線顔認証は、従来の可視光顔認証と比較して明らかな利点がありますが、活性光源の使用はいくつかの問題ももたらします。アクティブ光源は眼鏡に明らかな反射を生じさせ、目の位置決めの精度を低下させます。そして、既存の可視光データは使用できず、ユーザーはAIモデルを訓練するために赤外線顔データベースを再構築する必要があり、時間と労力がかかります。

赤外線の顔認証ソリューション

弊社は、このようなデータ不足の問題に対応するため、赤外線顔認証のための「赤外線カメラを使った顔認証データ」を開発しました。関連法規を厳格に遵守し、適切なデータ収集許諾契約に基づいてデータを収集しています。弊社は、高品質のデータで赤外線顔認証技術の革新を促進し、データのセキュリティを完全に確保することをお約束します。

10,000人の赤外線顔認証向けデータ

総計10,000人で、一人当たり28枚の画像（RGB + 赤外線）となります。異なる年齢層で、複数のシーンにおける多様な顔画像を撮っています。ID、人種、性別、年齢、顔の動作、収集シーンをアノテーションしています。アノテーションの精度は97％を超えています。

弊社は、データセキュリティの保護、個人情報やプライバシーの確保に常に取り組んでいます。ISO27701:2019プライバシー情報管理システム認証を取得しています。